機材

MIDI 2.0 についてゆるーく和訳した。新機能が盛沢山そうでワクワクですな。

2019年5月29日

先日、藤本健さんのサイトにて MIDI 2.0 についての記事がアップロードされました。
https://www.dtmstation.com/archives/25200.html

どうやら、今まで話題になっていた MIDI 2.0 の仕様詳細が発表されたようですね(公式のアナウンスはまだ)。この記事の元となっている英文書が面白そうだったので、ゆるーく(色々省きながら)和訳してみました。説明が不十分と感じたところは独自解釈や補足を入れてます。

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5秒でわかるまとめ

  • 表現力が上がる(ベロシティが16bitになる、タイミングがより正確になる...etc)。
  • 新機能が追加される(設定の共有など)。
  • MIDI2.0 は MIDI1.0 と互換可能。
  • 2020年から機材が出始めるかも?

和訳

元ページ:Details about MIDI 2.0, MIDI-CI, Profiles and Property Exchange

はじめに

MIDI 2.0MIDI 1.0 にいろんな機能を追加したすごいやつだよ。将来にわたってまだまだ機能を拡張する予定だぜ。
MIDI 2.0 では表現力が上がったり、タイミングの信頼性が増したりするんだ。もちろん、MIDI 1.0 との互換性を兼ねながらね。このアップデートでは新世代の MIDI デバイスとの架け橋を作っていくよ。けどひとまずは、MIDI 1.0 の機能を強化することを目標としていくつもりだぜ。

MIDI 2.0 には 6つの重要な機能がある。イニシャルを冠して、3つを「Bs」、3つを「Ps」と呼んでいるよ。ひとまず「Bs」について説明するぜ!

Bidirectional:双方向通信できるよ。
Backwards Compatiable:MIDI 1.0 も使えるよ。
Both:MIDI 1.0MIDI 2.0 の機能どちらも開発するよ。まずは 1.0 の強化かな。

1.1 MIDI Capability Inquiry (MIDI-CI)

MIDI-CIっていうのは、MIDI デバイス同士が双方向通信したり機能を交換したりする中枢となる機能のことだよ。こいつがデバイスに「お前 MIDI 2.0 の新機能使える?」って問い合わせてくれるのさ。「何も使えん」ってなったら MIDI 1.0 が使われるよ。

新機能っていうのは「Ps」のことだね。下で紹介するよ!

Profile Configuration:複数デバイス間で設定を共有できるよ
Property Exchange:設定を読み取ることができるよ
Protocol Negotiation:MIDI 1.0MIDI 2.0 どっちを使うか選択できるよ

これらは新機能で新しい概念なので、下で説明するね!

1.2 PROFILE CONFIGURATION

似たような機能を持つMIDIデバイスってたくさんあるよね。それを共通して設定する機能だよ。

例えば、MIDIピアノについて考えてみよう。ノート On/Off とかサステインペダルとかベロシティカーブとか共通の機能あるよね? それらを定義しておくと、複数の機種が異なるMIDIデバイスでも共通して設定できるようになるんだ。

MIDI熟練者は「手動のマッピング (おそらく、ある音源のドラムマップを別の音源で使いたいから音の場所を入れ替えたりするようなこと)」があるよね。音源が共通の設定を使えるようであれば、これが自動設定できるんだ。

実演したビデオを見てくれ!

一方のシンセの設定をいじると、もう一方のシンセの設定も変更されているのが分かる。
動画ではアナログ、ソフト両方で可能なことを実演している。

1.3 PROPERTY EXCHANGE

デバイス(例:PC)がMIDI デバイスのプロパティ(シンセの波形とか)を検索して設定できるような、SysExメッセージ(MIDIデバイスの設定)の集まりのことを Property Exchange と呼ぶよ。

MIDIデバイスのボタンが何を示すか、DAWで分からないことあるよね?(パッドとか) 。それらの情報をMIDIデバイスに聞くと教えてくれるようになるんだ。つまり、いままで専用ソフトとかMIDIデバイスについての事前知識が必要だったけど、それらが必要なくなるんだ。OSとかブラウザとかどの環境でも動かせるようになるよ。

下のビデオで詳しく説明してるよ!

PCから新しいMIDIデバイスに接続した後、「あなたの機能は?」と聞くと
「こういうのがあるぜ!設定送るぜ!」って言って送ってくれる。
PCではその機能をビジュアライズでき、MIDIデバイスの設定を変更できる。

1.4 PROTOCOL NEGOTIATION

「Protocol Negotiation」はMIDIデバイスが MIDI 1.0MIDI 2.0 のどっちを使うか選べる機能だよ。MIDI 1.0MIDI 2.0 と共通部分がたくさんあるからね。

※注意:MIDI 2.0 と MIDI 2.0 プロトコルは別物だよ! 下の図を見てね!

MIDI2.0では1.0および2.0両方のプロトコルが使用可能

1.5 プロトコルについて

ここら辺は藤本健さんの記事が詳しいので、要点部分だけ和訳しておくね!

・解像度が上がる (例:ベロシティが7bit→16bitになる)
・特定のメッセージを使うのが容易になる
・いくつかの Channel Voice Message に新プロパティが追加
・「System Exclusive 8」と「Mixed Data Set」というデータメッセージを追加
・「System」メッセージ は MIDI 1.0 と同じ

1.6 MIDI 1.0 のこれから

MIDI 1.0MIDI 2.0 に置き換えられないよ。多くの MIDI デバイスは MIDI 2.0を必要としていないからね。MIDI 2.0 を使いながら MIDI 1.0 プロトコルを使い続けるデバイスもあると思うよ。

1.7 いつから使えるようになるの?

MIDI-CI はもうダウンロードして使えるようになってるよ(どこからかは不明)。それ以外の機能は近々開発完了するけど、仕様書を書くのに数年はかかるかな。

関連企業には2019年頭にお知らせしてあるよ。Google とか NI とか Roland とか Steinberg とか Yamaha とか……。

けど、2019年内に MIDI 2.0 の製品はできないだろうね。MIDI 2.0 の機能をフルに使おうとすると、アプリ・OS・DAW のサポートが必要だから、時間がかかるだろうし。

それまでは MIDI 1.0 を使ってね。

1.8 MMA(MIDI 2.0 作ってるとこ)に参加するには

興味なかったので和訳してないよ。

FAQ

Q. 新たなコネクタとかケーブルは必要?
A. 必要ないよ、USBで動くからね。

Q. MIDI 1.0 のトランスポート(5pinのやつ)で動く?
A. 動かないよ。まず最初に USB で動かすよ。

Q. タイミングについての信頼性が上がる?
A. 上がるよ。MIDI 1.0 でも同じ効果があるよ。

Q. より表現力が上がる?
A. 上がるよ。MIDI 1.0 では基本的に 7bit だったけど、MIDI 2.0 ではベロシティは 16bit だし、CCは 128 個だし、ピッチベンドは 32bit になるからね!

Q. 西洋音楽とは異なるスケールとか、微分音の操作が簡単になる?
A. なるよ、下の動画見てね。

最後に

ベロシティが 16bit(65,536段階) になるだけでも楽しみすぎる。
今後も MIDI 2.0 の動向をチェックしていこうぜ!!!!

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