みなさんiZotope製品使ってますか? OzoneとかNeutronとか。
管理人はバリバリ使ってます。管理人はWaves Horizonを持っており、少し前までそちらでミックスしてたのがほぼiZotope製品に変わりました。技術の進歩は早いなぁというのをつくづく感じています。
そんなiZotope製品の中でも、特に中心的存在になるのが、Neutronです。このプラグインは「ボタン1つ押すだけでAIがミックス案を提案してくれる」機能が搭載されたチャンネルストリップです。画期的ですね。
あくまで「提案」ですので調整する必要はありますが、作業が時短され、一定の品質が保証されます。まさに今の世の中に向けたプラグインと言っても過言ではないでしょう。
そんなNeutronがアップデートしNeutron3となりました。アップデートに際して新機能が複数追加されましたが、音が大きく変化する要因である「Sculptor」について解説したいと思います。
※Neutron全体の解説を見たい人は「Malibu Sound Vibes」がオススメ。
[rtoc_mokuji title="" title_display="" heading="h3" list_h2_type="" list_h3_type="" display="" frame_design="" animation=""]
Sculptorとは
iZotope公式ではSculptorのことを以下のように説明しています。
音の良さをめっちゃ引き出す
Sculptorはめっちゃ働き者のEQとコンプの軍隊が音源を形作ってくれるやで。25個の楽器別プリセットを選んで音を形作ってや。
iZotope Neutron 3 | The modern way to mix
このプラグインは一言で言うならば「プリセットで設定されたDynamicEQのかかり具合をいじるプラグイン」です。
DynamicEQというのは、EQにコンプを足したプラグインです。イメージ的には以下のような感じです。
- EQ:1kHzを削ったろ!
- コンプ:音量が-20dB超えてるから圧縮したろ!
- DynamicEQ:1kHzが-20dB超えてるから圧縮したろ!
Sculptorは内部にDynamicEQをたくさん持っていて「いい具合にDynamicEQかけておいたで」という設定をしてくれます。
管理人がSculptorについて図を書いてみたので、そちらも参考にしてください!

これは低域の幅は狭く、高域の幅は広い周波数である。
この一つの幅単位でDynamicEQのかかり具合(青ブロック)をいじる。
使い方
まず、以下にSculptorの全体像を表示します。

緑色の枠で区切ってあるのがNeutron3の中にあるSculptorです。
機能に番号を振りましたので、それぞれ説明していきます。
❶ 周波数モニタ | 音源の周波数が表示されている 白い枠線のものがSculptor処理後、枠線無しが処理前 |
❷ 圧縮カーブ | DynamicEQでどれだけ圧縮(または拡張)されたか |
❸ HUD | DynamicEQのかかり具合をいじるところ ※HUDはHead-Up Displayの略で、Neutron前面に飛び出てるUIのこと。 |
❹ 周波数帯域制限 | Sculptorのかかる周波数帯域を制限する |
ざっくりとわかってもらえたでしょうか。
使い方としては、❸を操作し、 ❶と❷で周波数の最終確認をするといった流れですかね。そして必要があれば操作する周波数を❹で制限するといった形になります。
この中でも一番のキモである❸のHUDについて説明します。

❶ Amount | DynamicEQのかかり具合をいじる。0が最低、+100が最高 |
❷プリセット | DynamicEQがどの周波数にかかるかのプリセットが用意されている。表の下にプリセットの図を示す |
❸Tone | DynamicEQのかかってる周波数の高低をいじる。-50が最低、+50が最高 |
❹Speed | DynamicEQがどれくらい早くかかるか。コンプで言うアタック。0が最遅、+100が最速 |
❺ソロ | 前の節「❹周波数帯制限」で設定した周波数帯のみ出力するかどうか |

たくさんある
HUDの使い方はどうでしょうか。
DynamicEQが事前に設定されている、という点を除けば、普通にDynamicEQをいじるのと同じように使えそうなのが分かっていただけるかと思います。
実際にSculptorのデモについて聞いてみましょう。
これに関してはiZotope公式のデモが一番わかりやすいです。
所感
使った感触ですが、Sculptorは音がガラリと変わります。変化具合は非常に心地いいんですが、取り扱いには注意しないといけないなと思いました。
音を整えるぐらいだったら、Amountを+20ぐらいでも十分かと思います。+100かけると場合によっては歪みが発生しますが、iZotope側ではそういった使用方法は望んでいないとのこと。音作りではなく、あくまでミックス機材として扱ってほしいということですね。
「彫刻家」という名前は言いえて妙、という感じでした。こう、彫刻家が筋肉バキバキな彫像を掘っている印象がありますね。
おまけ(日本語マニュアル)
今のところ、Neutron3のマニュアルは英語版のみ公開されています。
これについて何気なくツイートしたら、iZotopeJapanの人が「もうすぐNeutron3の日本語版マニュアル出しますよ」って回答してくれました。
iZotopianのみんな、震えて待て!
最後に
iZotopeはいいぞ。
キミはもう、iZotopianになったかい・・・?